人には適職というものが存在するのだろう。

適職に就けるように努力するべきなのだろう。

たとえ己の寿命を縮めようとも……。(カム作)

 

 

北の国から’99〜脱サラ〜 

 

「モ〜〜〜ッ!」

「モ〜〜〜ッ!」

今日も朝から牛が鳴いている。

脱サラしたのはよかったが、酪農を始めたのが間違いだった。

こんなにしんどい職業だとは思わなかった。

「モ〜〜〜ッ!」

「モ〜〜〜ッ!」

結局、働くこと自体がぼくに合っていないのか。

まあいいや。

天井からぶら下がっている輪を見つめた。

「モ〜〜〜ッ!」

「モ〜〜〜ッ!」

ふっ、そう急かすなって。

ぼくはゆっくりと両目を閉じ、首に輪をかけた。

そして、勢いよく台を蹴った。

「モ〜やってらんねえ!」

死体へと転職するぼくだった。

 

 

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