もし神様がいるならば、どれだけの負担が掛かっているのだろう。
負担の拡散のためにも人それぞれの神様を見つけるべきである。
そして自らの命が尽きた時に、本当の神様になるのである。(カム作)
神様の限界
「うるさい!」
とぼくが叫んだのには、勿論理由がある。
人間がまたぼくに頼み事をしてきたのだ。
『神様、どうか妹の命を助けてください』
ぼくは神様。
だが人間の運命なんて変えられやしない。
それなのにこうも頼まれては、ぼくも困る。
しかも人間は凄い数が地球上に存在している。
ぼくは1人しかいないのに。
「もう、やんなっちゃうよ本当に」
『オーマイゴッド!アイドントノウ!』
「……」
かなり頭にきていた。
人類にまで進化させたのは誰だと思ってるんだ?
この世にアダムとイヴを生誕させたのはぼくなんだ。
なぜ人間は自分の力で何とかしようとしないんだ?
『神様、もしいるんならあの娘と喋らせてくれ、頼む!』
「ふっ……」
もう駄目だ。
我慢の限界だ。
ぼくは人間の運命は変えられないが、地球の運命は変えることができる。
このまま人間が地球を支配していたって、いずれは破滅へと向かうんだ。
ならばいっそのことぼくが、地球を……。
ぼくは迷った。
『神様のバカヤローッ!』
ドカーン。
1999年7月のことであった。