勇気を振り絞って何かを行うことは大事だ。
だが必ずしもそれが報われるとは限らない。
しかし何も始まらないよりは豊かな人生と言えよう。(カム作)
席替え
遂にこの日がやってきた。
今日は待ちに待った月末恒例の大イベントである『席替え』の日なのだ。
好きな女子の隣りだった男子は肩を落としながら、嫌いな男子の隣りだった女子は妙にはしゃぎながらと、それぞれが皆様々な想いを胸に輝ける未来へと夢を乗せてクジを出席番号順に引いていき、書かれてある席へと向かっていくのだ。
が、ここでクラス内の派閥が大きく席を変化させていく……。
「先生、こいつ目が悪いから前がいいって言ってます!」
いつから目が悪くなったんだ、と心の中で皆思っているのだろうが、誰も口に出せずにいる。
「あっ、じゃあ俺と代わろうぜ!」
と、さっき叫んだ男子の親友が強引に席を代わるが、勿論誰も口を出せない。
ふっ、じゃあぼくも言ってやろうじゃないか!
「先生、ぼくの席がありません!」
「……あんた誰?」