ほとんどの人間は必ず誰かにストーキングされている。
ストーキングすらされない人間は究極の暇を手に入れるだろう。
その暇な時間で誰かをストーキングすれば、忙しくなるに違いない。(カム作)
あいつはストーカー
今、ぼくはストーカーを追いかけている。
あいつも大変だなあ。
毎日毎日人を追っかけまわして……。
相手が昼食を食べなければあいつも食べられないんだし。
今日のぼくもそれと全く同じ、あいつ次第でぼくの行動も決まる。
あー腹減ったなー、そろそろ夕食にしたいんだけどなー。
だがぼくの願いは通じない。
……ん?
一体ぼくは何考えてんだ?
ストーカーを追いかける理由がどこにある?
全く無意味な時間を過ごした……はあ。
さあこんなことやめて帰ろう帰ろう。
ぼくが後ろを振り向くと、そこにはこそこそとぼくを追いかけてきている男が見えた。
まさか……。
よく目を凝らして見ると、その男の後方にもその男をストーキングしている人影が見えた。
おいおい嘘だろ?
だが、人影の列はどんどん続いている。
そ、そんな。
ぼくは絶句した。
……世界は、誰もがストーキングされている。
するとぼくの1つ後ろの男が後ろを振り向き、立ち尽くしているのが見えた。